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2018年12月 4日 (火)

北満州と日本列島 01

人生は冥土までの暇つぶし
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北満州と日本列島

アフリカ大陸で誕生した人類がユーラシア大陸に進出し、人類初の文明(ミヌシンスク文明)がシベリアの地で誕生したという、ラフスケッチを前稿(ミヌシンスク文明 02 )で一応描き終えたので、今回から視点を移して、東アジア、すなわち北満州(上図右上の桃色部位)と日本列島に焦点を当ててみたい。

北満州と日本列島についてだが、亀さんが思索を巡らせたテーマは主に二つあった。

一つは、満州の一部である北満州(外満州)の地で誕生した、〝遼河文明〟についてである。この〝遼河文明〟は〝黄河文明〟および〝長江文明〟と並び立つ、中国の〝三大文明〟の一つとして世間では捉えているようだ。その〝遼河文明〟はウラル系民族が興したものであり、その後にツングース系民族が北満州に進出してウラル系民族にとって代わり、さらにその一部が日本列島に渡航したということになる。換言すれば、ツングース系民族こそが我々日本人の祖先というわけだ。

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文明の出発点、南シベリア(『栗本慎一郎の全世界史』p.76)

さて、上掲の「文明の出発点、南シベリア」を見ていただきたい。栗本氏は人類初の文明をミヌシンスク文明としているのだが、このミヌシンスク文明は前稿の天童竺丸さんの論文「ミヌシンスク文明再論」にもある通り、時間を遡っても紀元前3500年のアファナシェポ文明(紀前3500~2000年)がせいぜいである。一方、〝遼河文明〟が誕生したのは、ナント、紀元前6200年前に遡る。

ここで、上掲の「文明の出発点、南シベリア」に描いた、紫色の円で囲んだ箇所に注目すれば、北満州から南シベリアへと矢印が向かっている(逆ではない)のにお気づきと思う。つまり、栗本氏は明らかに、北満州で誕生した諸文化の方が古いことを知っているのである。それなのに、栗本氏は〝遼河文明〟を最古の〝文明〟と呼んでいない…。何故だろうか?

これは、栗本氏の考える文明と文化の定義にある。少々長文になるものの、以下を一読されたい。

われわれが文明と呼んでいるのは、各地(各国)や各民族の固有の文化をいくらかの地域的まとまりをもって捉え、かつ時間的にいささかの長さの中において考えられるものである。つまり、一定の時間的継続を持ちいくつかの文化と地域をまとめる諸文化の総合を文明という。

その総合や統合、時には統治のあり方は文明の性格の重要な要素であって、われわれはしばしば建物や美術・工芸にばかり目が行きがちになることを抑えねばならない。宗教と交易のあり方は普通、非常に密接なものであって、そのことは王や皇帝の統治の基本にも大きくかかわるものである。私たちはこの前提(宗教と交易のありかたを重視する)を持ちながら、はじめてローマ文明であるとか中国文明、エジプト文明、メソポタミア文明というものを考えることが出来る。だから、交易を考える経済人類学者は歴史の記述に強い関心を持ってきたのだ。

文明とは時間的にも地域的にもある程度の限定があるのだ。たとえば、ローマ文明の概念や成果の中に中世や近代のイタリア文化は含めない。もちろん、現代イタリアにローマ文明の影響があるのは当然だがそれは別問題だ。

また、日本文明という言葉が使われないのは、文明と言うには日本文化の根付く地域が狭すぎるし、日本文化がある一定の期間にだけ特別の性格を持ったということが認められないからである。つまり、地域的にはまとまりが小さすぎ、かつ時間的にまとまりがなさすぎるから文明とは言わない。

一方、文化のほうは、むしろ広がりよりもまとまりや深まりを持つもので、かつ時間的には文明よりも長く、時には永遠に続くものだ。日本文化という場合、あきらかにそうであろう。その場合、もちろん、重要な要素は変化変容することもあるが、いくつかの重要な要素は不変であることが多い。だから、日本文化は世界的にも顕著な根強いものとして存在するのだ。

『ゆがめられた地球文明の歴史』p.20~21


つまり、〝遼河文明〟は文明として、栗本氏の定義に当てはまらないということなのだ。そのあたりを理解するキーワードは、下線で示した「経済人類学」である。

ここで、〝遼河文明〟の中で誕生した諸文化を整理した、サイトがあるので以下に紹介しておこう。同サイトは中国文明、すなわち〝黄河文明〟、〝長江文明〟、〝遼河文明〟で誕生した諸文化を紹介しているサイトなのだが、同ページを下にスクロールしていけば、四分の三あたりに〝遼河文明〟で発生した諸文化の解説に行き着く。
東アジアの古代史

同サイトも、〝遼河文明〟だの、倭国=日本だのと書いているwww。それはともかく、少なくとも亀さんが確認した限り、栗本氏のように経済人類学に立脚した視座で、文明と文化を捉えているサイトに今までに出会ったことがない。この経済人類学については、栗本氏の経済人類学関連の書籍、あるいは栗本氏が私淑していたカール・ポランニーの一連の著作、例えば『経済と文明』あたりがヒントになるが、本稿では割愛する。

次に、北満州と日本列島について、亀さんが思索を巡らせたもう一つのテーマは、日本列島に関するもので、4~3万年前に確実に存在していた日本列島の旧石器時代の人々、そして1万6千年前に縄文時代に突入し、弥生時代を経て古墳時代に入るあたりまで、日本列島に流れ込んできた人々についてである。このあたりは、長くなりそうなので次稿以降に回したい。

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アムール川

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