newsポストセブン

2012年12月21日 (金)

鳥越俊太郎 新聞・TV安倍批判控えるも1年経てば罵倒始まる

NEWS ポストセブン

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121221-00000019-pseven-soci

鳥越俊太郎 新聞・TV安倍批判控えるも1年経てば罵倒始まる

NEWS ポストセブン 12月21日(金)16時6分配信

 

 今回の選挙結果でもっとも疑問なのは、この3年間ほとんど何もしてこなかった自民党が、なぜこれほどに大勝したのかということだ。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏は、「自民勝利は、大手メディアの選挙予測がもたらした」と指摘する。

 * * *
 今回の衆院選では、朝日、読売、日経などは世論調査を解散直後、選挙戦の序盤、終盤と繰り返し実施し、テレビや通信社も含めると連日のように、どこかの 選挙予測が報じられていた。回数が増えた理由は、昔の世論調査は戸別訪問の対面調査で非常に手間がかかったが、いまはRDD方式という電話調査が一般的に なり、簡単に何度もできるようになったからだ。

 この世論調査の最大の犠牲者となったのが小沢一郎氏だった。この3年間、大メディアは「小沢は悪人」と印象操作して国民に「ノー」をいわせるための調査を繰り返してきた。

 一方で、これまで散々1面トップで小沢問題を扱ってきた大新聞各紙は、控訴審で小沢無罪が確定した翌日(11月13日)の朝刊1面トップで「野田首相、年内解散の意向」という政局記事を掲載し、小沢氏の記事は脇に添えられただけだった。
 
 彼の名誉は回復されることがないまま選挙戦に突入し、未来の党は「小沢の傀儡」と、さも「小沢一郎」という単語自体がネガティブイメージを持つかのように批判の材料とされた。

 もうひとつ不思議なのは、一方的に民主党政権の失政をあげつらうような報道が目立ったことだ。しかし、そもそも1000兆円もの大借金も、社会保障の問 題も、原発や尖閣や米軍基地問題も、すべて自民党単独政権時代に残されたツケだ。消費増税は民自公の合意によって決められた。民主党の失政は責められて当 然だが、メディアがその背後にある自民党時代の負の遺産に触れないのはおかしい。

 その一方で、安倍自民は国土強靱化と称して200兆円もの建設国債を発行し、「人からコンクリートへ」回帰し、借金を積み重ねるという。新聞・テレビは いまのところ勝ち馬に乗って安倍批判を控えているが、1年も経てば手のひらを返したように口汚く罵るだろう。そのときに、安倍自民は自らのツケを支払わさ れることになるはずだ。

※週刊ポスト2013年1月1・11日号

2012年12月12日 (水)

政治再生には国民がマスコミ疑う必要あり 政策に投票すべし

          
       

    政策より政局を重視する、とされる言葉を意味する“永田町の論理”――新聞やテレビの政治批判の常套句だ。だが、果たして本当にそうだろうか。

      そもそも新聞やテレビの「政治部記者」に政策を論じる能力など育たない。彼らは「○○党番」「総理番」「財務省番」などの役割を与えられ、四六時中、記者 クラブにたむろして、誰が誰に会ったか、会見や囲み取材で何を言ったか、どんな発表があったかを社に報告することが仕事である。この作業のどこで政策を報 じる能力が身に付くのか。

     彼らはそうやって記者クラブにしがみつき、官僚や政治家から情報を与えられたまま丸呑みし、悪いことに消化もで きずにそのまま吐き出して国民に撒き散らす。そうしていれば仕事になるから、官庁や大政党、警察・検察、日銀や経団連(いずれも大マスコミだけを対象とし た記者クラブを持つ組織だ)が大好きである。当然、それらの既存体制(アンシャン・レジーム)を壊そうとする動きは徹底的に叩く。

     一連の第三極批判には、そうしたマスコミのバイアスがあることも考えなければならない。維新の会の橋下徹氏はマスコミ批判で名を馳せた。石原慎太郎氏は、都知事時代に記者クラブだけしか入れなかった知事会見をオープン化した。

     そして小沢一郎氏は、20年も前に主要政治家で初めて記者会見のオープン化と記者クラブの廃止を訴えた人物である。彼らがいま大マスコミに叩かれ、無視され、裁判で二度にわたり無罪となっても大悪人のように書かれ続けていることは偶然ではあるまい。

     もうひとつ加えるならば、選挙ほど大マスコミにとって美味しい餌はないのだ。日々のニュース素材に事欠かないことはもちろんだが、もっと直接的にビジネスになる。今回の総選挙では、政党・候補の乱立で選挙公営費(税金)は350億円にも達すると見られている。

     そのうち300億円程度は新聞やテレビの選挙広告、公選ビラ、政見放送などの代金に充てられる。つまり大マスコミの売り上げだ。さらに大政党は数億~数十億円の広告宣伝費をバラ撒く。これらも大マスコミに流れる。

     政治の再生には、まず国民が大マスコミを疑うことが必要だ。「報じられかた」ではなく「政策」で一票を投じようではないか。

    ※SAPIO2013年1月号

2012年10月23日 (火)

震災復興予算の流用問題 大メディアと国会は2か月も頬被り

newsポストセブン

http://www.news-postseven.com/archives/20121016_149218.html

本誌が8月10日号(7月30日発売)でスクープした震災復興予算の流用問題がここにきて大騒ぎになっている。9月9日のNHKスペシャルが「追跡  復興予算19兆円」と題して報じると、朝日、毎日、読売など各紙や民放各局が10月に入って一斉に批判報道を展開し、国会にも飛び火。自民党は衆院決算 行政監視委員会の閉会中審査を要求し、政権側は委員会を開かせないために民主党委員を欠席させる暴挙に出た。

 あまりにも白々しい騒ぎである。

 NHKなど各メディアの報道は、総額19兆円の復興予算が、東京の税務署改修や北海道・沖縄の道路建設、果ては捕鯨反対運動への対策費まで復興と は関係のない事業に役人によって流用されているという、本誌報道の丸パクリである。それもそのはず。各紙記事は衆院の決算行政監視委員会の調査をもとにし ているが、そもそも調査の発端は、本誌記事に関心を持った委員の提案によるものだったからだ。

 いや、パクられたことに目くじら立てるつもりはない。重大なのは、大メディアと国会は、本誌が8月はじめにこの事実を報じてから2か月以上、頬被りを決め込んでいたことにある。知らなかったとはいわせない。

 

 当時は国会で消費増税法案の審議がヤマ場を迎えていたが、本誌が取材した自民党議員たちは「この記事は重大。国会で追及する」と意気込み、財務省 は「消費増税法案が吹き飛びかねない」(主計局若手)と飛び上がって国会追及に備えた想定問答集を作成し、新聞もただちに後追い取材に取りかかっていた。 ところが、そうした動きはピタリと立ち消えになった。コトが重大すぎたからである。

 この復興予算流用問題の本質は、財務省をはじめとするシロアリ役人と政治家が「復興のため」と国民に増税を強いながら、巻き上げた税金を被災者のためではなく、庁舎の改修やハコ物公共事業などシロアリの利権拡大に好き放題使っていた「騙し増税」の構造にある。

 消費増税も同じだ。国民には「社会保障のため」と説明しているが、実際は社会保障の充実には使われず、民自公3党と霞が関の間には、「増税による税収のうち毎年5兆円は防災の公共事業にあてるという暗黙の合意がある」(自民党大蔵族のベテラン議員)という。

 

 あのとき、国会追及や大メディアの報道が行なわれていれば、消費増税法案への批判が一層高まって廃案になる可能性があった。

 だからこそ、増税推進派の大メディアと自民党は、消費増税法案成立まで黙殺し続けたのではないか。NHKスペシャルで“報道解禁”となったのは増税法案成立の1か月後だった。

 それなのに通常国会が閉幕してから「閉会中審査」を要求する自民党もちゃんちゃらおかしいし、「増税が決まったから安心だ」といわんばかりの大メディアの2か月遅れの追及報道は、シロアリの“パシリ”だったことを隠すアリバイにすぎない。

 当然、パシリにも分け前がある。大メディアは決して報じないが、復興予算には、総額30億円超にのぼる「新聞・テレビへの口止め料」が含まれているのだ。

 

 東日本大震災から3か月後の昨年7月から1か月半、TBSは『夏サカス2011~笑顔の扉~』と題したイベントの一環で、本社のある複合商業施 設・赤坂サカスで被災地の農産品を即売、『旬の食べ頃』など自社のテレビ番組とタイアップして被災地の復興を応援する企画を行なった。

 実は、そのイベントは農水省の「農産物等消費拡大事業」という復興予算で行なわれ、イベント関連に525万円、番組に2500万円の補助金が流れていた。

 同社は今年9月、赤坂サカスで実施した地産地消の普及イベント(2009年実施)で、農水省の補助金に補助対象外の土地使用料やスタッフの人件費 などを水増し請求していたことが発覚し、2990万円を返還すると発表した。この復興支援イベントは、農水省の同じ課が担当した同じスキームの事業であ る。

 また、TBSは今年2~3月にかけて、BS番組『ニッポン美味しい笑顔紀行~東日本ギョギョうま編~』を5回にわたって放映。萩本欽一、農水省「お魚大使」のさかなクンらが石巻、気仙沼、釜石など被災地の漁港を回っておいしい魚の食べ方を紹介した。

 これも農水省の「食べて応援しよう!」事業であり、復興予算から5250万円の制作・放映料が支払われている。税金丸抱えの復興支援番組である。

 テレビ局がスポンサーを募り、自前で被災地支援番組を作るなら異論はない。しかし、復興予算の使い方には優先順位があるはずだ。農水省が、「被災 地の魚を食べよう」という宣伝番組に復興予算を注ぎ込む一方で、岩手県・大槌漁協は震災の被害が大きすぎて再建できずに破綻した。それが被災地が切実に必 要としている税金の使い方といえるだろうか。

 TBSはバラエティ番組『ひるおび!』で、「ココがヘンだよ復興予算」と題して流用問題を取り上げたが、補助金水増し請求までしていた同社はシロアリの同類であり、税金の使途を批判する資格があるとは思えない。

 復興予算ではほとんどのキー局で大量のテレビCMが放映された。TOKIOのメンバーが野菜を食べる「食べて応援しよう」のスポットCMは昨年夏 に首都圏各局で800回、今年春には全国のテレビ局で1200回放映された。農水省がテレビ局に支払ったCM料は首都圏分で総額7860万円、全国分は 8700万円だ。ちなみに、このCMに出演したTOKIOは出演料無料のボランティアだった。復興予算をあてにするばかりのメディアは爪の垢でも煎じて飲 んだらどうなのか。

 復興予算のメディア対策費はローカル局にも流れていた。

 被災地のテレビ局、ラジオでは復興予算で支援番組が放映されている。例えばテレビ岩手(日本テレビ系列)では毎週土曜日『手を、つなごう。岩手』という約3分の内閣府提供番組を放映。

 番組制作費・放映料は1本80万円で、2年間の総額は4億5200万円。これは生活再建に取り組む被災者を紹介する内容だが、目的は住民支援というよりスポンサー難に苦しむローカル局支援の色合いが強い。

 

※週刊ポスト2012年10月26日号

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