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2017年7月22日 (土)

和尚の絶筆 

人生は冥土までの暇潰し
現在発売中の『ビッグコミック』に連載中である、「荷風になりたい」に印象に残るシーンが登場した。どのシーンを指しているのかは、本稿の最後に転載しておいたので見てもらうとして、永井荷風と谷崎潤一郎の文士としての交流が、どのようなものだったのかが一目で分かるシーンだ。

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谷崎潤一郎と云えば、天台宗の大僧正だった今東光を思い出す。谷崎と和尚の交流を拙稿「谷崎潤一郎の学殖の豊かさ」に書いた時、亀さんは改めて谷崎の凄さを再認識したものだ。その谷崎との交流録を和尚自身が書いているのが、『十二階崩壊』という本だ。この本は和尚の絶筆となった本であり、そのため未完の本でもある。その後になって同書を入手したものの、仕事に追われて未だにページを開いていなかったのだが、『ビッグコミック』の最新号を見て改めて目を通したいと思い、そこで今、パラパラと同書を捲ってみたが、和尚の谷崎との交流の深さが窺い知れるだけではなく、和尚の赤裸々な青春時代の体験が至る所に綴ってあった。因みに、書名の「十二階」だが、「十二階下の女」という隠語があり、娼婦を意味する。かつて浅草にあった、凌雲閣という12階建ての塔を指しているようだ。つまり、放知技の常連さんの一人、歌麿オマンゴロ~ノヴィッチ・ニコチンスキーさん(以降、歌麿)が、泣いて喜びそうな遊びの里についての本というわけだ(爆)。歌麿さん、スケベ和尚は曹洞宗から天台宗に鞍替えしたと書いているが、亀さんは和尚の〝本願〟は立川流だったのではと推測している。以下の拙稿を参照されたい。
真言立川流と今東光

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ちなみに、天台宗および真言立川流は深い繋がりがあるのではと、亀さんは睨んでいる。以下の記事に、「真言立川流が天台宗と文観以降、どのように関わっていたのか調べていこうと思う」と書いたが、仕事(翻訳)に追われている身、未だに果たせないでいる。
真言立川流と今東光 2

それから、歌麿さんは以下のように書いているんだが…

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http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16113357/323/

あのぉ~、今東光は大卒ではなく、中学中退ですぜ(笑)。しかも、二回も中学を追い出されている…(爆)。このあたりは、『最後の極道辻説法』(p.182~)に書いてあるので、この機会に以下に転載しておこう。まぁ、見方によっては、一高(東大)を卒業したと言えなくもないか…(爆)。

弟の友人をニセ一高生と思い、確かめにいくと
川端(康成)とはじめて会った頃は、オレは東大のある本郷のゴロでね。つまらん女とケンカしたかして、面白くなくて、西片町にある自宅へたまに帰ろうと思って、本郷通りをブラブラ、昼間、赤門の前を通って歩いてきたんだ。
そうしたら向こうから、ガランゴロンって下駄を鳴らしながら、まっさらの一高の帽子をかぶって、♪ああ玉杯に……と昼間から歌をうたいながら歩いている野郎が来たんだ。あの野郎こっちに来やがる、と思ってたら、向こうもオレの方を見てる。おかしな野郎だな、オレにガンつけやがって……。
これはひとつ、ここでケンカかな、と思いつつ、だんだん近寄ってった。そうしたら、
「東光さんじゃない?」
「誰だっけ?」
オレの二番目の弟と同級生の池田という男なんだ。あんまりできもしないような。
「ああ池田か。トラやないか」
「おお、トラや」
「おまえ、いい道具、手に入れたな」
オレはそいつの着ている一高の制服と帽子を〝道具〟だと思ってたんだよ。
「おまえ、そいつでコレひっかけているんだろう? 捕まったらドつかれるぞ、一高の奴に」
「阿呆なこと言ってくれるな。ぼくは本当の一高生だよ」
「そんな……。おまえみたいな頭の悪い奴が入れるか、一高に」
「いや、ぼくは補欠で入ったんや」
参ったよ、オレ、これには。こんな野郎が一高に入ってるのに、オレは相変らずだしな。
「おまえ、ほんまに一高やったら、おまえのとこに行ってみるぞ。何ていう寮にいるんだい?」
「北寮何番の何とか」って言うから、翌日、オレ行ってやったんだよ。いたんだ、本当に。
そいつが、
「東光さん、文学好きなのが数人おるのや」
って。一部屋に八人もいたかな、万年床の上にあぐらかいて。その中にいたんだよ、川端が。
「これ、川端康成って、文学。これは鈴木彦次郎。これは石浜金作で、石川知行っていう経済学者の弟や」
みんな文学好きなんで、今度は池田そっちのけでな。すっかり面白くなって、「今度、今のうちへ行こうや」なんてことになった。

寮に泊りこんで、寮の飯食って……
こうして年中一高へ行って、夜の九時、十時までしゃべりこんでしまう。一高の門限は九時なんだ。
「門が閉まるから、オレ帰るよ」
「いや、門を越えて行きゃあいいから、もう少しいいだろう」
なんて夜遅くまでひきとめるんだ。一高って面白いとこでね。塀を越えて入ると制裁されるんだが、門隈になっても堂々と表門をよじ登って越えるぶんにはかまわないんだよ。外のすぐそばには交番が、内側には風紀係がいて見てる。塀を越える奴には鉄拳制裁。ドツキ回すんだから。門の上から来る奴は、酔っばらってモタモタしてるとお巡りまで尻おしてくれてな。
川端は度胸のいい奴だから、
「この部屋は八人だが、一人や二人はうちへ帰ったり、どこか女のとこへ泊りよる。誰かのあいてる
ふとんにもぐりこんで、泊って、一晩中喋っていかないか」って言うんだ。それでオレがもぐりこむんだけど、寝ていると夜中に帰ってくる奴がいるんだ。
「あれ!? 誰かおれの床、もぐってる」
そうするとオレが、
「うるさいな。足元から入って寝てろ!」
無茶苦茶だよ。オレは枕を占領して、向こうは座ぶとん折ってな。
「いろんなむずかしい話してもわからん奴は、思想がないんだから、足元で十分だ」と勝手な理屈つけて。今日はこっちへ寝たと思ったら、明日はここへ寝たりと、空いた床、空いた床寝て、もう家に帰らない。
一高前に「のんき」というおでん屋があって、そこへ行ってオレは飯を食うんだ。そうすると川端が、「そんな無駄せんで、ええやないか。寮の食堂へ行こうや。食いに来ない連中がいるから、そいつの分、食うのは、別に学校へも迷惑をかけないし、政府にも損害かけてることにならへんやないか」
「ああ、それはいい考えや。行こう」
そんなわけで、オレも一緒になって食堂へ。ただ、月謝納めてないから教室だけには入れない。一高はちゃんと出欠とるからね。東大になると、もう誰が入ったっていいけどね。
教室へ入れないかわりに、奴らの使っている本を見るんだ。
「ここわからへん」「これはこういうことやな?」と、あいつらの教科書みんな見ちゃった。
当時、一高の入学は九月だった。その九月の末か十月には、もう一高に入りびたりだったから、ほとんど康と一緒に入って大学出るまで暮らしたようなもんだ。こうやって、一高三年、とにかく無事に卒業しましてね


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