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2015年12月30日 (水)

昭和の怪物

人生は冥土までの暇潰し

昭和の怪物

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本 題に入る前に、以下のブログ記事に掲載されていた画像について一言。同画像で特に亀さんが注目したのは、赤線で囲んだ人物だ。過日の新国立競技場事件に続 いて、ふたば未来学園高校の応援団になっていることを知るに及んで、この男の正体をはっきりと知ることができたように思う。
『福島第一原発30km圏内に開校した「ふたば未来学園高校」。子供たちの健康なんか知ったこっちゃない、ってことですね。』

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さて、本題に入ろう。拙稿「なべおさみの新刊本」で紹介した『昭和の怪物』を読了した。なべ氏の前作『やくざと芸能と 私の愛した日本人』(イースト・プレス)に目を通した身として、ハイジャック関連を除いては特に目新しい記述は無く、前書の〝二番煎じ〟的な新刊本という感が強い。

それでも、なべ氏のハイジャック体験記(同書p.274~319)は手に汗を握る内容であり、人間というものを知る意味で一読の価値はあった。特に亀さんが注目したのは以下の記述だ。

私は通路を小走りに戻った。
みんなの目が注がれた。一気に話した。
「私 は決心をしました。もし、この中に犯人の仲間が居るとしても、私は犯人が出て来たら犯人と戦います。それで、私が戦った時、手助けして欲しいんです。私と 共に戦ってくれる人が居たら手を上げて下さい。正直いって、コックピットは危険な状態です。ですから、皆さんを後ろのドアから脱出させます。その準備の為 に、コックピットを注意しながら共に闘ってくれる人、ありませんか!」
役者であるが為に、やっと信用されて一時間を世話焼きで過ごせたのだ。
もう限界が、みんなに来ていた。
脱出しかない。
闘うしかない。
私が先頭切って戦うから、助勢して欲しいと訴えたのだ。
何となんと八本の手が上った。
「一般乗客七〇」の中から、八人の手が上がったのだ。
直ぐに義勇軍として採用だ。
「八人の侍」の誕生だった。
彼らを前方の雑誌置き場に連れていった。
「ここから雑誌を腹に入れて下さい」
私は自分の腹を割って見せた。
「人間、腹さえ守ったら、めったに死にません!」
私は、恐らく犯人は単独だと思うと伝えた。これから脱出方法を検討し、実行しようと明かした。もしドアを開いたら、何らかの反応でコックピットに知られ、犯人に感知されたらまずい。
そこをどうするかだった。
もし気付かれて犯人が出て来たら、私が責任もって戦うからと、腹の雑誌を叩いてみせた。さて、この人々だが後で判っただけでも、ほとんどが中小企業の社長さんばかりだった。こんな時、手を上げる勇気は蛮勇ではない。神勇なのだ。人知では考えることのできない勇気を言う。
まさに神勇だ。機内に、男が居てくれた。
食われるのも恐れず、幼子を守る為に角をふりかざす母親獣の姿だ。
乗客の中には大企業のそれなりの人間もいた。ひとつ違うのは、この方々は会社や組織の上の人間からの命令を受け、立派に処理出来る能力に秀でた人々だ。
一方、「八人の侍」は、小規模な会社だが、銀行の手当てや社員の事、会社の管理経営と須く己の才覚で運営しなければならない。考えて実行して、なんぼの世界だ。潰せないからだ。
その違いが全てだった。与えられた事をそつなく出来る者より、己で考えて行動している人間しか死力は出せないと知った。手を上げない理由も良く判る。上げる男も理解出来る。
しかし、事におよんで一歩踏み出せるのが、男というものなのだと考えさせられた。今でも私は、手を上げた者こそが、あの事件の中で見た男の正念場での所作であり、隠れた英雄だったと信じています。居るんです。こうした勇気を持った人間が。
報道になんか少しも登場しない、本当のあの時の英雄です。報道の人間こそ「見の目弱く、観の目つよく」でしょう。

『昭和の怪物』p.302

ここでは、なべおさみという男の持つ勇気が本物であること分かる他、人間窮地に追い込まれると本物の偽物とに、はっきり別れるものだと改めて思った次第である。

中小企業のオヤジさんのように、日頃から自分の判断で動く人たちと異なり、「会社や組織の上の人間からの命令を受け、立派に処理出来る能力に秀でた人々」の場合、どうだったか…。実は中小企業のオヤジさんとは、あまりにも対照的だったのだ…。

先 ず、ハイジャックに遭遇した日本航空機の機長の場合、乗員乗客の命を与っているのだという意識がゼロだっったことが、同書に目を通すことによって一目瞭然 であり、乗員乗客を落ち着かせるどころか、この機長は逆に全員を恐怖の奈落に突き落としたのである。その後、無事に解放されるに及んで、その機長は記者会 見の場で臆面もな以下のように言い放ったのだという。

「私達は、日頃からこうした事を想定して、訓練をつんでおりますから、割と落ち着いて行動出来ました」
『昭和の怪物』p.319

もう一人、「会社や組織の上の人間からの命令を受け、立派に処理出来る能力に秀でた人々」は、どのような行動に出たか? 代表例を一つだけ以下に引用しておこう。

「俺を一番先に降ろしてくれ! 俺を一番先に降ろしてくれぇ!」
『昭和の怪物』p.314

なべ氏や8人の〝武士(もののふ)〟は後部のドアを開け、最初は幼子を抱えた母親、次に老婦人らを脱出させるつもりでいた。そこへ強引に割り込んできたのが、上記の「立派な会社の立派な立場」だったのである。人間の本物と偽物とが明瞭に分かる、面黒い行でもある。

その他、印象に残ったのが安倍晋三についてだ。親父の安倍晋太郎については、なべ氏は可愛がってもらったこともあって事細やかに書いているのに、息子の安倍晋三について書いていたのは、ナント以下の一行のみであった。

王さんのメールは、どんな一言でも私は保存してある。そうして大切に宝にしているのは、王貞治と安倍晋三総理の二人だけである。
『昭和の怪物』p.210

この行で分かるように、政治家としての安倍晋三については、一切言及していないのだ。賢明な読者なら、これが何を意味しているのかお分かりだろう。まぁ、息子の安倍ちゃんに関しては、讃えるようなモノはゼロということなんだが…(嗤う)。

その他、「高倉健となべおさみに見る任侠道」でも指摘したが、今回もユダヤ渡来説を繰り返していたのは残念だったし、『日本書紀』観についても底が浅い。だが、人間誰しも神様ではないのだ。清濁併せ呑むではないが、ここは心を広く持とうではないか。なお、『日本書紀』に関しては、拙稿「飯山一郎の“新日本建国神話”第2話」を是非参照されたい。

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