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2012年4月29日 (日)

日本ユニセフ協会 国連機関ではない。政・官・報との癒着─知られざる〝裏の顔〟「被災者に渡らない募金」が暴かれた 「週刊ポスト」 H23.4/15号

Weekjy POST com

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「週刊ポスト」平成23年4月25日(月)発売 小学館 通知済

日本ユニセフ協会は国連機関ではない!
政・官・報との癒着

知られざる〝裏の顔〟
「被災者に渡らない募金」が暴かれた!


「被災者を助けたい」との思いから全国で募金活動が行なわれている。それは、世界から称賛された「日本人の助け合い精神」の一場面でもある。
 しかし、その浄財を巡って怒りの声が上がった。
批判の対象は、日本ユニセフ協会(日ユニ)が呼びかける「東日本大震災緊急事金」だ。募金額はすでに約7億円にのぼる──。

「これでは〝ユ偽フ〟だ」

 問題の発端は、日ユニが震災発生3日後(3月14日)にHP上で「1億円の緊急支援」を告知したことにある。その告知には、以下の「但し書き」があった。

〈必要な資金を上回るご協カをいただいた場合、ユニセフが実施する他国・地域での紛争・自然災害などによる緊急・復興支援に活用させていただくことがあります〉

 募金が被災者に渡らないと気づいた募金者から、次のような声が上がるのは当然だった。
「俺の募金はアフリカに行ってしまうのか」
「これでは〝ユ偽フ〟じゃないか」

 批判が殺到した日ユニは、24日にHP上で「東日本大震災の募金は、通常の募金とは別の口座で管理しています」と掲載し、[全額を被災者に渡す」と釈明した。

 方針転換の理由を日ユニ広報室はこう説明する。
「ユニセフ(国連児童基金)は開発途上国の子供たちへの支援を目的としており、日本への支援は64年で終了しました。しかし、震災後にユニセフが日本支援を決めたので、募金の全額をお渡しできるようになった」

 当初から「大震災支援」を謳いながら、破災者に募金を渡すことを表明したのは10日後だったのである。
  世界の子供たちへの支援が悪いわけではない。それが日ユニの目的である以上、日本の子供たちが対象とならないことにも問題はない。だが、被災者に届かない のであれば、「東日本大震災の緊急募金」などやるべきではない。10日間にわたって、被災者支援を口実に募金を掻き集めていたと見られても仕方ないだろ う。

 同様の問題は、95年に発生した阪神大喪炎や、05年の福岡県西方沖地震の際にも起きていた。多くの企業やボランティア団体が集めた募金を日ユニに寄託したが、その浄財の一部は披災者には届いていなかった。

 たとえば、「楽天銀行」は過去に自社で行なった社会貢献活動を公開しているが、そこには「福岡県西方沖地震」義援金124万円)の最終寄付先として「日本ユニセフ協会」とある。

 阪神大寅災の時に募金活動を展開した兵庫県内のボランテケア団体代表者もこう証言する。
「私たちの団体は毎年、日ユニと日本赤十字に募金を寄託してきました。当時の帳簿が残っていないので金額はわかりませんが、この時のお金も使途も含めて日ユニさんにお任せした」
 日ユニは「阪神や福岡の時は私たちが呼びかけたわけではない」(広報室)と、〝勝手に寄託してきた〟という立場を強調した。

 しかし今回ばかりは、日ユニ自身が呼びかけた募金ということもあって「多くの方にご不信を抱かせたことは申し訳なぐ思います」(同前)と平身低頭だ。ただし、それで一件落着というわけにはいかない。


 20年間で募金額は8倍に

  日ユニは「国連ユニセフの活動む支援することを目的とした財川法人」であり、ユニセフ本部直轄の駐日代表部は別に存在する。「ユニセフ」という名称を含む ことから、ユニセフの「日本友部」と思われがちだが、国連機関ではない。しかし、多くの国民や篤志家、そして日ユニに寄託するボランティア団体でさえも 「国連組織」と誤解し、日ユニもそれを周知させていない点に、今回の騒動の根がある。

 国連の冠を掲げて募金を集める日ユニは「超金満団体」でもある。 日ユニはユニセフと協力協定を結んでいるが、協定には「集めた募金の最大25%までが運営経費として認められる」とある。

 09年度の収支計算書によると、事業活動収入は約190億円。うち90%以上が募金収入だ。支出はユニセフ本部への拠出金が約163億円(業務分担金約11億円を含む)。つまり、約27億円が日ユニの〝利益〟である。公益法人と認められているため、法人税はかからない。

  では、その大金を何に使っているのか。内訳は募金活動事業費(約14億5000万円)、啓発宣伝事業資(約5億円)、管理費(約3億円)など。職員わずか 36名の団体が募金を右から左に動かすだけで、30億円近い活動費を使うことには違和感もある。職員の給与は「地方公務員並み」(日ユニ広報室)というか ら人件費だけでは数億円だろう。

 金満経営が槍玉に拳がったこともある。日ユニが01年に東京・高輪時地上5階地下4階、延べ床面積 1100坪の本部ゼル(ユニセフハウス)を建設した時、25億円の建設費用は日ユニの活動余剰金が充てられたが、「その金で何人の子供たちを助けられるの か」と批判が巻き起こった。

 90年代初めには日ユ二に集まる募金額は年間20億円程度だった。20年間でそれを8倍に増やした「功労 者」とされ右のが東郷良尚・副会長である。元日本航空社員で、東郷平八郎の遠縁にあたる。退職後に日ユニの専務理事に就任。遺産の寄付控除を政府に積極的 に働きかけたほか、ダイレクトメール(DM)による寄付呼びかけなど、「効果的な募金システム作り」を掲げ、〝収益拡大〟に結びつけた。

 だが、このDMキャンペーンにも「同一人物に何通も届く」「募金者が亡くなった後も延々と送られてくる」といった苦情が相次ぎ、「協賛企業の顧客リストを流用している」「募金で名簿を買い集めている」との疑惑が取り沙汰された。

(写真)高給住宅街の東京・高輪にあるユニセフハウス


 大マスコミとの〝共存共栄〟

 しかしながら、そうした日ユニの「裏の顔」は、ほとんど報じられない。日ユニが数多くの大マスコミ幹部を役員に迎え入れていることと無関係とはいえないだろう。秋山耿太郎・朝日新聞社長、朝比奈豊・毎日新聞社長ら、全国紙のトップが評議員に名を連ねる。

 日ユニの役員は常勤の専務理事以外は無給だが、大マスコミの旨味は大きい。
日ユニは大新聞に頻繁に広告を掲載し、新聞社が主催するイベントを協賛する形でサポートしている。

 反対に、ハイチやスマナラの大地震など、海外で大災害が発生すると大マスコミは自社媒体で募金を呼びかけ、集めた金を日ユニに寄託する。それが広告や協賛金として戻ってぐる構図は、まさに持ちつ持たれつの関係といえる。

  霞が関から文部省や郵政省の次官経験者らを理事に招聘しているほか、芸能人の抱き込みにも力を入れている。特に有名なのが、「日本ユニセフ協会大便」とし て講演活動で東奔西走するアグネス・チャンだ(なお、「ユニセフ親善大便」として知られる黒柳徹子は、国連機関であるユニセフ本部から任命を受けてい る)。

「日ユニとしての活動はほとんどノーギャラ(年俸1㌦)ですが、〝大使〟の肩書きで講演などの依頼が増える。この種の講演料は一般 的に1回80万~100万円といわれます。ここ20年近く日ユニ関連以外の活動が目立たない彼女が、テレピなどで豪邸生活を自慢できるのも、大使の肩書き と無関係とはいえません」(アグネスに近い芸能関係者)

 彼女は先述の〝疑惑の10日間〟に、自ら1000万円の募金をした上で、日ユニ のHPで支援を呼びかけた。13年間も大使を務めている彼女が、「日ユニへの募金が国内の被災地には届かない」ことを知らなかったはずはない。「被災者の ために」と募金を呼びかけたことはミスリーディングといわざるを得ない。

 大マスコミと並んで見逃せないのが、日ユニの政界との密接な関係である。
 もともと、日ユニの活動を主導したのは、橋本龍太郎・元首相の母、橋本正(まさ)氏(日ユニ元専務理事)だった。
「正さんが 〝募金がなかなか集まらない〟と龍太郎氏に訴えたことがきっかけで、龍太郎氏は『ユニセフ議連』を設立した。日ユニに賛同する企業から献金を集めていたため、日ユニは〝橋龍利権〟と呼ばれた」(政界関係者)

 だが、龍太郎氏と正氏をよく知る元秘書に聞くと「それは違う」と反論する。
「正さんが専務理事の時代は、日ユニの活動は慎ましいものだった。しかし、東郷さんが入ってきてからビジネス化した。東郷さんが運転手付きの車を使っているのを知った龍太郎先生は、生前に〝母がやりたかった活動と全然違うものになってしまった〟と、一度ならず嘆いていた」

 現在の議連会長は谷垣禎一。自民党総裁で、公明党の坂口力氏、民主党の小宮山洋子氏ら与野党の政治家が幹部に名を連ねる前出の政界関係者がいう。
「政治家がユニセフ議連に参加するメリットは、まずはイメージアップ。また、日ユニには多くの大企業や新聞社が協賛しているから、票やカネを持つ企業との接点にもなる。

 近年は特に野田聖子・元消費者相との関係が深い。野田氏が会長を務めるNPO法人の理事を東郷氏やアグネスが務めている。かつて岐阜県庁の裏金問題(06年)で、一部が日ユニの献金に流れていたことが判明したが、これも岐阜県政に強い影響力を持つ野田氏との繋がりがあるのではないかと囁かれた」

 裏金の件は推測の域を出ないが、野田氏のライフワークである「児童ポルノ規制」でアグネスが広告塔を務めることも、日ユニ人脈の深い関係をうかがわせる。
 協会の設立主旨や目的は立派だが、募金の集め方と使われ方には、もう少し疑惑をもたれないための改革が必要ではないか。そうでなければ、「美しすぎる宣伝文句」や「煌びやかすぎるメンバー」は、かえってうさん臭さを感じさせてしまうだろう。

(写真)ユニセフ議連の総会(左から、坂口氏 谷垣氏、小宮山氏。谷垣氏HPより)
 
(関連情報)
宮城 気仙沼の離島が大揺れ 義援金 救援物資が行方不明!? 横領や横流し疑惑 「日刊ゲンダイ」2012/4/26 『文殊菩薩』(ブログ版)

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文殊菩薩(ブログ版)より

http://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-153.html#more

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