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2012年4月 2日 (月)

野田、勝、谷垣の断末魔 「ああ、小沢さえ抹殺できれば…」 『週刊ポスト』2012.4/13号

記事

Weekjy POST com
平成24年4月2日(月)発売 小学館 通知済
野田、勝、谷垣の断末魔
「ああ、小沢さえ抹殺できれば…」
『週刊ポスト』2012.04.13号


〈永田町の潮目は変わった〉国家議員の大半が本音では「消費税はもう無理」と思っている。
「消費税増税」の灯が消えてゆく…。


 民主党政権の失敗は、権力の何たるかを知らない素人集団が、いきなり大国の舵取りを任されて、のぼせてしまったことにあった。まともな野党であったことすらない政治ごっこ集団の寄せ集めの弱みがモロに出てしまったのである。
 野田という人も、20人ばかりの自派閥さえちゃんとコントロールできないドジョウ男だから、実力はこんなものだ。むしろ恐怖を覚えるのは、長く権力の中枢であった財務省、日本を代表する大メディアまでが、いつの間にかド素人ばかりになっていたことである。

財務相がつくった「大嘘資料」

 大新聞の消費増税キャンペーンは、いよいよ狂気を帯びてきた。
先頭に立つ読売新聞は、もはや新興宗教の説法だ。
〈社会保障と財政の破綻という迫り来る危機を克服するために、消費税率の引き上げは避けては通れない。(中略)2大政党が未来への責任を共有する歴史的な政治決断の環境は整っている。政界再編も辞さぬ覚悟で接点を探り、前に進む「大きな政治」を見せて欲しい〉(3月29日付)

 巨人の裏金問題では大喧嘩を演じる朝日新聞も、こういう国家の重大事になると、足並みを揃えて官僚のスポークスマンになる。

 前原誠司政調会長が民主党の党内論議を強引に打ち切った3月28日未明の暴挙を、なんと〈民主、消費増税修正案を承認 前原氏に一任〉と見出しを付け(一応、「反対派反発」と付け足していたが)、〈前原氏は28日未明になってようやく一任を取り付けて散会したが、反対派は決定に納得せず、終了後も国会内の合同総会会場で前原氏に詰め寄ったり、議員同士が揉み合いになったりした〉と、まったく事実と異なることを書いて平気な顔。あれで「一任を取り付けた」ことになるなら、会議も議論も民主主義も要らない。「反対派が納得しない」のではなく、ルール無視の暴走に出席者が怒っただけである。

 いまや自宅に届く新聞だけ読んで情報収集する国民はほとんどいないが、とはいえテレビや他の新聞を見ても、金太郎飴のような増税礼讃報道ばかりだから、それが日本の進むべき道だと信じ込まされている国民も少なくはないだろう。

本稿の主旨ではないから深入りはしないが、増税しなければ日本はダメになるというのは真っ赤なウソである。増税で得られる税収13・5兆円のほとんどは、社会保障とは関係ない役人の新利権に使われることがわかっている。

 財務省がマスコミや国民を洗脳するために作った「『社会保障・税の一体改革』とは」と題する資料では、消費税の使い途について恥ずかしげもなく「全額を社会保障の財源に」と書いているが、そのすぐ横には、半分以上の7兆円を「後代への負担のつけ回しの軽減」に使うと説明している。要するに放漫予算で積み上がった国債の償還に充当するつもりだ。あとは、小泉政権が国民に約束したまま果たしていない「年金国庫負担2分の1」に2・9兆円使うなどとされ、「社会保障の充実」に使われると約束されているのは2・7兆円に過ぎない。しかも、そのうち「年金制度の改善」には0・6兆円しか使われない。これを「年金維持のために消費増税が必要」と強弁する官僚、政治家の厚顔さも、そのまま報じる大マスコミの不勉強も信じ難い知性の衰退ぶりである。

 一方で、財務省は2011年度の予算が余ってしまったために財政危機を演出する工作を迫られれ、必要もない第4次補正予算(約2・5兆円)を組んだことは、すでに本誌で報じた通りである(2月17日号)。

 特別会計を合わせれば229兆円にも達する国家予算、しかも公共事業の単価は民間の2倍、3倍が当たり前という現実は国民の誰もが知っている中で、「もう予算を削る余地はない」という大嘘が通用すると思っていることもまた、権力者とその番犬たちの思考停止を象徴している。民主党が公約通りに予算見直しをできなかったのは、その余地がないからではなく、役人を論破するだけの知識と根性がないからである。

 国民の方がずっとまともな知性を持っている。そして、いくらインチキやウソが罷り通っているとしても、権力の源泉は国民にあることも事実なのだ。

 選挙区で有権者と直接接している議員ほど、それをひしひしと感じている。後章で述べるように、大新聞は増税反対を「小沢一派による反党行動」と決め付けているが、増税反対派には反小沢議員も少なくないし、執行部派の議員たちも、本誌取材に「増税には反対したい」と本音を漏らす。増税反対派の幹部は党内情勢をこう解説する。

「強引に閣議決定に持ち込むところまでは計算済み。勝負は法案採決だ。いまだに前原さんや野田(佳彦)総理、岡田(克也)副総理は自公との連携で法案成立を考えているフシがあるが、自公はもう野田政権を泥舟と見て協力しないだろう。

 ならば、党内で60人が反対すれば法案は否決できる。処分が怖いから棄権したいという議員もいるから、100人の反対票を固めておけば増税は阻止できる」

 小沢派だけで衆院100人程度いるのだから、確かに自公が増税に協力しなければ法案成立は無理だ。そこがわかっているからこそ、野田、岡田両氏や仙石由人政調会長代行らは必死に自民幹部と接触して大連立を持ちかけた。


「勝はあんな馬鹿ではなかったが」

 自公の本音はどうか。そもそもこれだけ国民に不人気な政策で与党に協力するメリットなどないが、谷垣禎一総裁が“副総理の椅子”をちらつかされてグラついていたことは周知の通りである。ただし、すでに党内の風は変わっている。

「谷垣はしょせん“野党党首用の総裁”だ。大連立だろうが総選挙による政権奪回だろうが、谷垣を頭にやることは有り得ない。町村(信孝)さんらが早くも総裁選を口にしているのは谷垣への牽制だ。

 田中(直紀)防衛相の問責決議が検討され始めたのも、谷垣が野田とゴニョゴニョ談合できなくする意味がある」(自民党長老)

 自民党内では田中問責の後には小川敏夫法相の問責も取り沙汰されている。いずれも閣僚の「参院枠」なので、問責→更迭となれば、野田官邸と、参院を束ねる輿石東幹事長の関係がこじれることは必至。それを狙った政略なのだから、自民党内に大連立の機運はすっかり薄れている。

 大連立も話し合い解散も党勢拡大に繋がらない公明党は、もともと自民が乗らないなら野田政権との協力など念頭にない。

 永田町の潮目は完全に変わったのである。

 自民党の中で脱官僚を掲げてきた「上げ潮派」の中心である中川秀直元官房長官は、増税法案の行方を言下にこう言い切った。
「解散前に通そうというのはさすがに自民党として乗れないんじゃないですか。私は乗れません。この法案を一言で言えば、“俺は増税したんだ、すごいだろう”と官僚と政治家が自己満足するためのもの。国民のためのじゃない。野田さんが言った『シロアリ退治』もなく、ただ赤字の穴埋めになるだけですよ、これじゃ」

全くその通りだが、こういう意見は大新聞・テレビでは紹介されない。安倍晋三元首相のブレーンで、かねて消費増税は必要という持論を持つ菅義偉元総務相さえこう言う。
「野田政権の組んだ新年度予算は自民党時代より10兆円も水膨れしている。増税は、その増やした予算分を搾り取るためのものだから絶対に賛成できない。

 自民党執行部がこれに賛成するとか反対するとか、言うべきではない。まずは国会で法案を審議することが筋で、その結果、賛成か反対か決めればいいが、この法案は自民党が主張してきた税率10%の考え方とはあまりにも隔たりがあり、賛成できるとは思えない」

 自民党内では、もう「野田増税」に賛同する声は谷垣周辺の小声でしかない。ここでも新聞報道は事実とかけ離れている。

 永田町や霞が関を取材すると、どうも今の政権幹部や大新聞記者だけが、必要以上に「財務省神話」を信奉して、財務省が言うから、“大物次官”といわれる勝栄二郎が「やる」といっているから、と過剰に反応して「増税しかない、必ず上げる」と目を血走らせているように見えるのである。

 ところが、その「勝天皇」の評判は、同省OBたちが集う「大蔵元老院」で急落している。

「若い頃の勝は、あんな馬鹿ではなかったがなあ。増税と経済政策は車の両輪だというのは財務官僚の鉄則なのに、増税だけ先走ってうまくいくはずがない。たぶん法案は潰れるが、そうなれば国際社会で日本の信用はガタ落ちになる。今の財務省には国際感覚も足りない」(主計局畑の元審議官)

「ここまでやれば、法案を出さずに引っ込めることはできなくなってしまった。日銀の協力を得て、インフレターゲットと賃金上昇目標を立てるなど抱き合わせ政策が必要になるが・・・無理だろうな。増税すれば、その年は増収になっても翌年にガクッと落ちる。東北復興の道筋が整わない中での増税は愚の骨頂だ。

 まあ、私も外から見ているからそう言えるので、霞が関にいると大事なことが見えないのかもしれない」(銀行局畑の元審議官)

 これは一部の意見ではない。本誌が取材した大物OBたちは、口々に勝・財務省の暴走に懸念を示した。

 今世紀に入って財務省に君臨した元次官2人の意見はこうだ。
「拙速過ぎる。増税というのは、叩き台があって、議論があって、調整があってできるものだ。まるで1日で潰れた細川政権の『国民福祉税』のようだ。勝君は功に走っているなら、今からでも勇気ある撤退を決断すべきだ。今はその時期でないことを表明し、2年後くらいに議論を再開する余地を残して身を引くべきだ」
「私の得たニュアンスでは、勝はあそこまで強引に増税する気はなかったと思う。野田さんが勝以上にスイッチが入ってしまっている。

 増税の影響は様々なところに出てくるから、じっくり検討する必要がある。増税すればパラダイス、という今の霞が関の雰囲気は、私から見ても異常だ」

 かつて大蔵省が「省の中の省」と称された時代には、確かに国家観や国際感覚を持った大物官僚もいたが、今の財務官僚は本当に小物ばかりになった。その小物ぶりに元老院が心配するのは当然だが、小役人の言葉を神の託宣のように信奉する総理大臣や大新聞記者の姿も憐れである。

さん兄弟
追い込まれた「増税3兄弟」(左から勝財務次官、谷垣総裁、野田首相)


 またも困ったときの「小沢叩き」

 公約破りマシンの野田氏が、どれほど本気で不退転の決意を表明しているのかは怪しいが、党内で相当、追い込まれていることは間違いない。増税反対派の川内博史代議士は、「法案採決で党内の理解を得ることは難しいでしょう。そもそも年度内の法案提出というのは、民主党が反対した麻生政権時代の所得税法附則に書かれていること。なんら法的な縛りではない」と斬って捨てる。

 主流派に属する社会保障部門会議議員は、さすがに実名での証言には難色を示したが、こう語った。

「小沢派とは一線を画しているが、われわれも増税には賛成できない。選挙に響くこともあるが、根拠にされている税・社会保障一体改革成案は自民党が財務省と厚労省に作文させた社会保障国民会議の報告書がベースで、われわれの案じゃない。党内論議を強行突破した前原さんでさえ、増税に縛りをかける経済成長条項を自分から入れたくらいで、本音では増税はできないと考えていると思う」

 野田一派が頼る財務省、自民党執行部の評判は前章の通り。追い詰められた増税派は、ナントカの一つ覚えで、「増税できないのは小沢のせいだ」と標的を変えてきた。

 谷垣禎一氏は公然と「小沢を切れば大連立できる」と野田氏に必死のラブコールを送り、野田氏もまんざらではない様子だ。

 大新聞は、〈異論を唱え続けてきた民主党議員も、事前調査が決着した以上、法案成立を目指す党方針に従うのが政党人としての義務である。(中略)小沢一郎元代表が(中略)原理主義的な反対論を振りかざし、党の亀裂を煽ることには強い違和感がある〉(読売3月29日付)と金切り声を上げ、産経新聞などは、野田内閣の支持率がどん底から6%上がったことを〈小沢系が反発を強めるほど、逆に首相の「不退転の決意」が強調される構図となった〉(3月27日付)からだという珍妙な解説を書く。

 産経の屁理屈はともかく、シロアリ派の政治家やメディアが、“困った時の小沢頼み”に活路を見出そうとするのはいつもの構図。確かに管政権はメディアと一緒になって「脱小沢」を煽り立てることで何とか人気を維持しようとしたし、野田政権もこれまでそうしてきた。そしてメディアは増税反対の動きを「小沢派の抵抗」と叩きまくる。

“邪悪な小沢に消えてもらいたいが、消えてもらっては敵役がいなくなる”
 という、ねじくれた負け犬の論理がそこにある。

 小沢氏の政治資金規正法違反事件の判決は4月26日。「そこで無罪となれば、党内は堂々と消費税反対、野田内閣不支持に傾く。そこがタイムリミットだと焦るから、年度内法案提出だ、すぐ採決だと突っ走る」(小沢派議員)というのが政権の哀しき心象であり、自民党の反執行部派幹部は「われわれは『小沢無罪』を織り込んで動いているから、民主党内の主導権争いに手を出すべきではないという考えだ。谷垣執行部は政局を見誤って、本気で小沢切り大連立ができると思ってしまった」と酷評する。

 増税の実現に「政治生命を懸ける」と大見得を切った野田氏は、どうかその公約だけは守って、増税が実現しなかった暁には政界引退していただきたい。谷垣、勝の「増税3兄弟」も、ご一緒にどうぞ。

文殊菩薩(ブログ版)より

http://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-50.html#more

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